最終更新日:


固定ド唱法と移動ド唱法

楽譜をドレミで読めるようにしよう。 ピアノの C をドと読む「固定ド唱法 (音名読み)」と各調の主音をド (例えばト長調の場合には G がド) と読む「移動ド唱法 (階名読み)」がある。 なお、移動ドで短調を読む場合は、主音をラとする (例えば、イ短調では、Aをラ)。

初等教育では、およそ1970年より前までは移動ド、それ以後は固定ドで教えたようである。 これはピアノの普及と大きく関係しているようである。

どちらがよいかについては一概に言えない。 曲の主音、属音、下属音の効果など、音楽的な理解を助けるには移動ドを薦める。 ただし、最近の多くの曲ではどの調でも臨時変化記号が多くなっているので、固定ドも捨てがたい。 また、ピアノなど楽器を習得した人には固定ドが楽であろう。

いずれの読みにも慣れていない人は、まず「移動ド唱法」から習得することを薦める。 それは、移動ド唱法から固定ド唱法への変更は楽であるが、逆はかなり難しいからである (つまり移調して歌うことが困難)。

本合唱団では、ピアノ普及後の世代が多いため、固定ドを使う。

まずは、ピアノなどの補助が無くても、ドレミ読みで旋律が正しく出せるようにトレーニングする。 続いて、「おー」や「あー」の単音で旋律を歌えるようにし、できれば旋律 (歌詞は取り敢えず覚えなくてもよい) を暗譜する。 さらに、覚えた旋律を頭に浮かべながら、楽譜なしで、ドレミ読みを再現してみる。 ここまで、完成すると、いわゆる「耳コピー」ができるようになる。 さらに練習を続けると、歌詞で歌っている時も、音符を見ただけで音の高さが頭に浮ぶようになってくる (これは移動ド唱法では習得しずらい)。

こうした練習には Chorübungen が有名であるが、音程 (3度とか7度など) の取り方を鍛える方法のため、各音の高さはその累積で決定される。 そのため、一箇所、音程を間違えると、その後の修正が難しい。

私が推奨するのは、CONCONE のような旋律性の高い練習曲である。 CONCONE は、さらに叙情性などの表現力も鍛えるため、適している。 さらに、ピアノ伴奏を入れれば、音高を取る際のヒントも得られる。 また、ちょっとした複雑なリズムの練習もできるため、お勧めである。 もちろん、普段練習している合唱曲もよい材料であり、これらをドレミで正しく読めるようになるのがゴールである。

読み方

幹音以外の派生音 (シャープやフラットの付いた音) も幹音と異なる読みを付けて読む方が、正確に読めるようになる。色々な流儀があるが、ほとんど、幹音の読みの母音部分を変化させる。
ピアノの Do からオクターブ上の Do までの鍵に対応して記載した表を示す。これらの詳細は表の後に記述する。
音名 (♯Ti)Do ♯Do♭Re Re ♯Re♭Mi Mi(♭Fa) (♯Mi)Fa ♯Fa♭Sol Sol ♯Sol♭La La ♯La♭Ti Ti(♭Do) (♯Ti)Do
岡部 (To)Do DiRu Re RiMu Mi(Fu) (Ma)Fa FiSu So SiLu/u La Li/iTu Ti(Du) (To)Do
佐藤 (To)Do DiRa Re RiMe Mi(Fe) (Ma)Fa FiSe So SiLe La LiTe Ti(De) (To)Do
英語 (ー)Do DiRa Re RiMe Mi(ー) (ー)Fa FiSe So SiLe La LiTe Ti(ー) (ー)Do
独語 (His)C CisDes D DisEe E(Fes) (Eis)F FiGes G GisAs A AisB H(Ces) (His)C

リンク