すでに経営を始めているが、 これから複式簿記に変えてみよう人も多いであろう。 練習として、本日から自分の手持ち財産を複式簿記で 管理してみようというような人もいよう。 このようなときには、 自分の持っている資産や負債をすべて探し出すことが必要である。 現金、預金、ローンといったものから開始する。 備品などは難々、リストが作りづらいだろうから、 取り敢えず分るものだけをリストする。 それを貸借対照表の形に書き出し、 平衡がとれるように純資産を計算して求める。 個人企業の場合には、創業時自分の出した金額を元入金、 株式会社の場合には資本金を調べる。 これらを資本金と分類し、純資産からこれを引いた残りを利益剰余金とする。 これで、取り敢えずスタートすることができる。
あとに、さらなる資産や負債が見つかったときには、 改めて期首の貸借対照表を作りかえる。 本章を読むと分るが、期首の貸借対照表が変更されると、 期末の貸借対照表も変化する。 したがって、以後、毎期末の貸借対照表が変化することになる。 しかし、その変更は比較的簡単な規則にしたがっており簡単なので、 まず仮のものからスタートするのがよいであろう。 また、計算機処理によるのが何としても簡単である。 いずれにせよ、複式簿記を学ぶには、 実際に作成してみることが何としても重要である。
なお、貸借対照表のように、まとめの作業をする必要から、 勘定科目(account title)名は、ある程度限定することが必要である。 現金をあるときには「現金」、 あるときは「キャッシュ」と書くような不統一は許されないが、 その名前の付け方に特段の規則がある訳でもない。 分り易ければ、ある程度の自由度がある。 また、細く分類することも粗く分類することも許されているが、 まとめの表が見易くなるようにすべきである。 貸借対照表には実在勘定科目しか現われていないが、 名目勘定科目に対しても同様なまとめの表を作成することから、 同様な配慮が必要である。
もちろん、これらの財務諸表をいったん公式なものとして、 税務署などに提出した後は、遡った修正を勝手に行うことは許されておらず、 修正条項としてきちんと記帳する必要があることは言うまでもない。