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直接法

備品や建物といった固定資産(fixed assets)の概念もそもそも現金主義からは 逸脱した発生主義の概念である。 現金主義ならば、現金の出入りがあった購入時と売却時しか関知しないが、その 間も資産としての価格があるという発生主義の立場から作られた概念である。 ただ、これらは徐々にその価格を低下していくと考えるのが自然であろう。 この価格の減少のことを、減価償却(depreciation)という。

減価償却: 固定資産の価格は年々下る

その減価償却の実際の速度については、実際に、それを販売してみて 計測するのがもっとも正確かも知れないが、売ってしまっては意味がなく、 その結果、色々な仮説に基づいて計算をする。 特に税務署に対し、事前申告しない場合には、定額法(straight line method)と呼ばれる 毎年一定の額ずつ減価償却していくという方法を前提とする。 つまり、耐用年数で0円になる。 なお、この固定資産を保有しているうちは、それを覚えておくために、 最後の年以後、1円の備忘価格を残す。 平衡をとるために、備品等の減価償却に対して、 !減価償却費(depreciation expenses)という費用科目を記入する。

例えば、前章に述べた取得価格800の備品の減価償却費を 計算してみよう。 耐用年数は 5年として、定額法で償却するとすると、 $減価償却費
=800/5=160$ となる。 これによる備品の価格減耗のようすを表3.18に示す。

図 3.18: 定額法による減価償却の考え方
\begin{figure}\centering
\begin{tabular}{llr\vert lrr}
\hline
\hline
年 &\mul...
...品 &1\\
& & &!備品売却益&99 &0\\
\hline
\hline
\end{tabular}
\end{figure}

売却で利益が出たときには、右貸方に !備品売却益を置く。 また、売却せず廃棄とする場合には、左借方の !備品廃棄損によって全価格を 始末する。

我々の例の場合、開業時に購入した保有備品はすべて減価償却の対象ちはならないが、練習のため、仕訳帳には、初年度にもかかわらず、減価償却があったとし、表3.19のように仕訳しよう。

図 3.19: !減価償却費による減価償却の仕訳 (直接法)
\begin{figure}\centering
\begin{tabular}{rllr\vert lr}
\cline{3-6}
1/31 &備品償却&!減価償却費&160&備品   &160\\
\cline{3-6}
\end{tabular}
\end{figure}

この方法を直接法(direct method)による減価償却と言う。


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OKABE Yoichi 平成22年5月17日