現金出納簿(cashbook)をつけたことのある人がよく経験することであるが、 例えば大きな買物をしようとしたような場合、自分の自由にできるお金の 総額がすぐに分らないことがある。 現金(cash)の残高状況は現金出納簿を見ればあっと言う間に把握できるが、 預金はというと、預金通帳を探し出し、記帳してみなければわからない。 もしかすると、非常事態には車を売ればよいかも知れない。 いや、まだ売れる物があるかも知れない。 一体、自分の持っている総財産はどのくらいあるのだろう。 こうした財産管理に便利なのが、複式簿記という概念である。
複式簿記というと難しいと思うかも知れないが、何百年もの歴史によって 磨き抜かれた極めて合理的なものであり、実は易しい。 本章では、これら複式簿記の基本概念を習得しよう。 実は、本章の基本概念を習得すると、複式簿記はほとんど 理解できるようになると言っても過言ではない。 また、すでに複式簿記を学んだ人にとっても、何となくすっきりしない概念が 明白になると信じている。