黒字倒産を未然に防ぐ方法として、歴史的に、即金性のあるキャッシュの監視や その源泉を探究するのに便利な表がいくつも提案された。 さらに、近年、この考えをさらに推し進め、各事業がどれだけのキャッシュを 稼ぐことに寄与しているかを、経営的に把握する努力が 払われるようになってきた。 いわゆるキャッシュフロー経営である。 これらの概念を企業全体で見ようという立場から、キャッシュフロー計算書が 財務諸表の一つになったのである。
即金性の資産を現金同等物(cash equivalents)と呼ぶ。 厳密には普通預金、当座預金のように、少なくとも 3ヶ月以内に 即換金可能なものを指す。 キャッシュフロー計算書では、現金および現金同等物を合せて、 キャッシュ(cash)あるいは資金(fund)と呼ぶ。
損益計算書では、仕訳帳の仕訳のうちから、実在勘定の増減に結び付く取引の 対項、つまり名目勘定部分を集計したが、キャッシュフロー計算書では、 仕訳のうちから、現金同等物の増減に結び付く取引の対項を集計する。 現金出納簿を預金のような現金同等物にまで拡張したものをまとめたものと 言ってよい。 何故、現金収支計算書のような呼び方をしないかというと、同じものを米国では 間接法と呼ばれる別の手法で計算するからである。 日本では直接法(direct method)と呼ばれる現金収支計算書的なものでもよいし、 米国風の間接法(indirect method)によるものでもよい。 いずれの計算法でも、結果は同じである。
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収入(receipt)、支出(payment)とは、現金による !収益、!費用のことであるが、 本章では !キャッシュイン(cash-in)、!キャッシュアウト(cash-out)のことと 定義する。 このことから、損益にはキャッシュ性のものと 非キャッシュ性のものがあることがわかろう。