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ソース接地増幅回路

能動素子を使って、ディジタル回路やアナログ回路など、広範な範囲の 応用分野で役に立つ回路を作ることができるが、その中心は増幅器である。 増幅器というと、オーディオのアナログ信号を増幅するようなものだけを 考えがちであるが、ディジタル回路でも増幅器を多用する。 NOTやANDやORといった回路もすべて増幅作用を有している。 ディジタル回路の場合、なぜ増幅作用がいるかというと、ディジタル信号に 雑音などが加わって、信号レベルが0や1からずれた場合、それをきちんとした 0 や 1 に再び戻す必要があるからである。

Figure 3.1: n-MOS FETのソース接地増幅回路
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Figure 3.2: Vgs固定の場合の動作点の求め方
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ゲート-ソース間電圧$ V_{gs}$を変えると、主電極間に流れる電流 $ I_d$ が 変わるので、それによって電圧増幅回路を構成することができる。 この$ I_d$の変化を、図3.1のように n-MOS FETと 電源間に、FETと直列に抵抗を付けることにより、簡単に電圧に 変換することができる。 この回路はソースが接地 (電源の基準側) されていることから、ソース 接地増幅器と呼ぶ。 抵抗の両端に電圧が発生するため、FET にかかる電圧が、もともとの 電源電圧 $ V_{dd}$ からずれてしまうので、解析がやや面倒になる。 この抵抗による$ V_{dd}$からの電圧降下の現象は一見複雑であるが、FETの 特性図を利用して簡単にグラフィックに解析することができる。

3.2には、$ V_{gs}$にある固定の電圧を 与えたときの $ I_d-V_{ds}$ 特性が描かれている。 これは FET の主端子間に $ V_{ds}$ の電圧をかけたときに FET を通って 流れる電流を表している。 一方、抵抗の下端の電位は、ソース電位を基準にして、 $ V_{dd}-RI_d$ で 与えられるはずであるが、この直線関係を $ I_d-V_{ds}$ 特性と重ねて 描いてしまう。 抵抗の下端電位は当然FETのドレイン電位 $ V_{ds}$ と等しくなければならないから、曲線と直線の交点より、両素子の接続点の 電位が決定する。 また、当然、交点の縦座標から両素子を縦方向に貫通する電流 $ I_d$ が 求められる。 出力電圧は $ V_{ds}$ になる。

Figure 3.3: 種々の$ V_{gs}$に対する動作点の移動
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Figure 3.4: 入力-出力の伝達特性
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Figure 3.5: 入力と電流の関係。消費電力は電流に比例する
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同様の作業を、図3.3のように、$ V_{gs}$ を変えて、順に行っていく。 その結果、入力電圧 $ V_{gs}$ を変えたときの出力電圧 $ V_{ds}$ と電流 $ I_d$ の関係を、図3.4および 図3.5のように得ることができる。 これらの図からわかるように、適切な入力電圧の付近で僅かな入力電圧の変動を 加えると、大きな出力電圧の変動が得られることがわかる。 これが、増幅器の基本である。 変動の中心となる適切な入力電圧やそれに対応する出力電圧などを総称して、 増幅器の動作点と呼ぶ。 また適切な入力電圧のことを、バイアスという。 もともと、バイアスというのは、ずらすという意味であるから、動作を 適切にするための電圧や電流はすべてバイアスと呼ばれる。 また、ずれのことを信号と呼ぶ。

入力電圧が増えるほど、電流が流れることがわかる。 消費電力はこの電流に電源電圧を掛けることで得られるから、この特性は 消費電力の入力電圧依存性と思ってもよい。 入力電圧が$ V_{th}$以下では消費電力は 0 となっている。

このソース接地増幅回路は、電子回路でもっとも多用されている 増幅回路であり、全ての基本であるので、しっかり理解して欲しい。


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Yoichi OKABE 2008-02-17