LPF の設計法を理解すると、残りの設計法はそれから簡単に
誘導することができるので、まず
までを通過させる規格化 LPF
の設計法を理解しよう。
LPF は基本的には、箱型の形状を理想とする。
つまり、ある周波数までを完全に通過させ、それ以上の周波数を完全に
阻止する。
しかし、これを有限の数の素子で構成すると、理想からずれてしまう。
それを、どれだけ理想に近付けるかが設計法の基本となる。
もっとも簡単な LPF は、よく知られた RC 回路である。
R と C の直列回路を入力に接続し、C から出力を取り出す。
低周波では C はほぼ開放であるので、入力はそのまま出力に現われる。
高周波では C はほぼ短絡となるので、出力はほとんど現われなくなる。
入力を
、出力を
とするとき、この伝達特性は次式で与えられる。
また、この回路に
の角周波数を入れたときの伝達量の絶対値は、
として、代入した式とその複素共役 (c.c. と表現) の積から
計算できる。
したがって、絶対値は次のようになる。
これをグラフに書いてみると、
で伝達量は 100% となり、
の増加とともに、徐々に値が減っていき、
で
となり、
で 0 となるような LPF
になっていることが理解できよう。
もう少し理想的なフィルタを作るには、素子数を増し、
、あるいは
の複雑な関数にするのがよい。
一般には次のような形のフィルタを構成することが多い。
一般の回路の伝達関数には分子にも
多項式が入る可能性があるが、同じ
最大次数の多項式の組み合わせで、十分高い周波数における伝達量をなるべく
減らすには、分母のみが多項式の方が有利である。
したがって、フィルタとしては、この式の形のものしか検討しない。
この式の絶対値をとると、次の式が得られる。
の多項式となることは、
の多項式に
を
代入してみれば分る。
また、当然、
に対し、対照的な形になる。
普通のフィルタの設計では、まず、この伝達関数の絶対値の式を定め、
それから、これに対応する
式を求める。
次に、これを実現する素子の配置を決定する。