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デルタ変調

Figure 6.2: $ \Delta $ 変調器
\includegraphics[scale=1]{{fig/AD.delta-mod.eps}}

シグマ デルタ AD 変換器の基礎には、デルタ変調(delta modulation)という概念が 存在している。 この回路を図6.2に示すが、まず、入力とフィードバック 信号との差を調べ、入力の方が大きいと正の一定出力、小さいと負の一定出力を 出す比較器がある。 その出力をクロックに合せて定期的に取り出し、次のクロックの来るまで出力を 維持する遅延回路 D (Sample/Hold) がある。 さらにその結果を積分し、一定速度で増加あるいは減少するフィードバック 信号を作り出す積分器がある。

これら入力とフィードバック信号との差は、クロックごとにしか チェックされないので、フィードバック信号は一つ前のクロックのときの 値から $ \pm\Delta$ しか変化していないこととなり、クロックごとに 一定幅の上下移動のみが許された尺取虫のようなものとなる。 この移動のみでアナログ原波形を追いかけることとなる。 例えばアナログ波形が正弦波のときには、図6.3のようになる。 この際の $ +\Delta / -\Delta$ の移動を $ 1 / -1$ に対応させて 出力とする。 当然、アナログ原波形が増加傾向にあると 1 の出力が増え、逆に 減少傾向にあると -1 の出力が増える。 つまり微分に近い概念であると言える。

Figure 6.3: デルタ変調波形
\includegraphics[scale=1]{{fig/AD.delta.eps}}

このディジタル出力波形の周波数スペクトルを図6.4に 示す。

Figure 6.4: デルタ変調波形のスペクトル
\includegraphics[scale=1]{{fig/AD.delta_spect.eps}}

この波形のスペクトルを見ると周波数 0 付近に存在するアナログ入力の 原波形の周波数成分以外に、左右の高周波部にランダムな成分を持っている。 これは、パルス波形に変換した際の量子化雑音である。 しかし、積分器を含んだフィードバックループの存在のため、それらの成分は 高周波領域にのみ存在する。


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Yoichi OKABE 2008-02-17