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拡張された静特性

ソースとドレインは、まったく対称的に作られている。 つまり、名前だけで、実態の差は無いのである。 通常、かける電圧の低い方をソース、高い方をドレインと呼ぶ。 しかし、上記の解析で明らかなように、諸特性はソースを基準にして 議論されることが多い。 回路によっては電圧の高い方を基準にした方が、便利なこともある。 こうした場合を想定して、ドレインにソースより低い電圧をかけた時の特性を 議論しておこう。

といっても、ドレイン電圧の方が低い場合の特性は、ドレインをソース、 ソースをドレインと見なすことにより、通常の静特性で理解できる。 したがって、単なる電極の読み替えで、記述できるはずである。 そこで、式2.10 のすべての $ d$$ s$ を差し替え、かつ ドレイン電流が逆向きに定義されることを考えて、$ I_d$$ -I_d$ と 置き換える。 ここで、 $ V_{gd}=V_{gs}-V{ds}$ $ V_{sd}=-V{ds}$であることを考慮して 整理すると、

$\displaystyle {I_d=A\left(V_{gs}-V_{th}-\frac{V_{ds}}2\right)V_{ds}}$   抵抗領域: $\displaystyle V_{ds}\le V_{gs}-V_{th}\le 0$
$\displaystyle {I_d=0}$   遮断領域: $\displaystyle V_{ds}\ge V_{gs}-V_{th}$
$\displaystyle {I_d=-\frac A2(V_{gs}-V_{th}-V_{ds})^2}$   飽和領域: $\displaystyle 0\ge V_{gs}-V_{th}$

が得られる。 従来の特性に、この負領域の特性も加えて描いたものを 図2.3に示す。

Figure 2.3: n-MOS の静特性
\includegraphics[scale=0.5]{fig/FET.neg.eps}


問題2..1 上式を誘導して見よ。



答え ドレインとソースの記号の置き換えと、$ I_d$$ -I_d$ にすることにより、次の式が得られる。

$\displaystyle {-I_d=A\left(V_{gd}-V_{th}-\frac{V_{sd}}2\right)V_{sd}}$   抵抗領域: $\displaystyle 0\le V_{gd}-V_{th}\le V_{sd}$
$\displaystyle {-I_d=0}$   遮断領域: $\displaystyle 0\ge V_{gd}-V_{th}$
$\displaystyle {-I_d=\frac A2(V_{gd}-V_{th})^2}$   飽和領域: $\displaystyle V_{sd}\ge V_{gd}-V_{th}$

となる。


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Yoichi OKABE 2008-02-17