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: 微分方程式の定常解 : 回路の微分方程式 : 線形微分方程式   目次   索引

同次微分方程式の一般解 (過渡解)

運動や回路を解析するとは、これらの方程式の解を求めることである。 若干やっかいなのは、入力 $ x(t)$ がなくても、解が存在することである。 まず、式1.1の右辺を 0 とした同次方程式(homogeneous equation)を 考えよう。 なお、右辺 0 でないときには非同次方程式(inhomogeneous equation)と呼ばれる。

$\displaystyle a_0\frac{d^ny(t)}{dt^n}+\cdots+a_{n-1}\frac{dy(t)}{dt}+a_ny(t)=0$ (1.3)

この方程式を解くときには、$ \exp(st)$ といった試行解を使うと、簡単に 解けることが知られている。 数学の世界では、$ s$ の代わりに $ \lambda$ がよく使われるが、ここでは 回路理論でよく使われる $ s$ を使おう。 このような解が何故、線形微分方程式の解となるかは、方程式の 時不変性によっているのであるが、ここでは詳細の説明を省く。 ともかくも、この形の解は便利がよいのである。

つまり、 $ y(t)=y\exp(st)$ と置くのである。 そうすると、$ \exp(st)$ の時間微分は $ s\exp(st)$、二階微分は $ s^2\exp(st)$ などとなることがわかっているので、 式1.3は、簡単に、次のように変形できる。

$\displaystyle (a_0s^n+\cdots+a_{n-1}s+a_n)y=0$ (1.4)

なお、すべての項に共通に、$ \exp(st)$ が現われるので、全体をそれで 除してある。 常には 0 でない解を求めたいので、$ y$ につく係数が 0 となる。

$\displaystyle a_0s^n+\cdots+a_{n-1}s+a_n=0$ (1.5)

こうしてしまうと $ s$ は微分演算子のような取り扱いの面倒なものではなく、 ただの数になので、すこぶる楽になる。 現に、この決定方程式(determinating equation)は、通常の代数方程式になるので、 計算機などを利用して、根を求めることができる。 これら $ n$ 個の根を $ s_1, s_2, \cdots, s_n$ としよう。 $ s$ がこれらのいずれかの値であると、決定方程式は 0 となることから、 $ y(t)=y\exp(s_it)$ は同次方程式の解となることが理解できよう。 さらに、これらの解の線形結合も同次方程式の解となることは簡単に 証明できる。

$\displaystyle y(t)=y_1\exp(s_1t)+\cdots+y_n\exp(s_nt)$ (1.6)

これは、同次方程式の一般解(general solution)と呼ばれる。 全部で $ n$ 個の自由に決定できる定数が入っているので、あらゆる可能性を 含んだ文字通りの一般解である。 回路理論では、過渡解(transient solution)と呼ぶ。


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Yoichi OKABE 平成19年6月30日