回路内には,一般的にはいろいろな遅延要素があってもよいが,
ここでは,単位遅延時間
の整数倍の遅延要素しか考えないこととする。
一種の時間方向のディジタル化である。
信号の高さも,複数の並列信号を使うことにより,2進化されているとする。
シークエンス回路から遅延要素をすべて外へ取り出すと,
残りは信号を直ちに処理する部分だけ,
つまり,前章で述べたただの論理回路となってしまう。
整数倍の遅延は1単位遅延の出力をいったん論理回路へ戻し,
そのまま,また別の1単位遅延の入力とし,
それを再び論理回路へ戻すことを繰り返すことにより実現できるから,
他の遅延回路はすべて複数の1単位遅延であるとしてよい。
さらに,遅延を与えるのにすべて同じ周期的パルスを利用して,
すべて同期して遅延が与えられる回路を同期式回路(synchronous circuits)と呼ぶ。
つまり図 5.1のようにまとめることができる。 遅延回路の出力を,内部状態(internal state)と呼ぼう。 すると,シークエンス回路は次のように理解することができる。 回路には内部状態があり,現在の内部状態は, 1回前の内部状態と現在の入力で決定される。 こうすることで,現在の内部状態は過去のすべての時系列入力で決定される。 現在の出力は,現在の内部状態と入力で決定される。 切符の自動販売機に使われるようなディジタル回路も, 巨大な電子コンピュータもすべてこうしたシークエンス回路である。