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コンピュータの概要

現在のコンピュータは各種の計算が可能であるが, それ以外にもワープロとして文書作成ができたり, 静止画や動画を扱ったり,それこそ何でもできる。

しかし,元々,コンピュータ(computer)は, 時間のかかる計算を,人手を使わず, かつ正確に短時間で行うために開発された計算専用機械であった。 それが,現在のように何でも扱える機械として進化してきたのである。 電卓もコンピュータの一種である。 どちらかと言うと,電卓と言う場合には,人が計算の順序を指示するのに対し, コンピュータと言う場合には,計算の指示は,事前にメモリーに書き込まれて, それを次々にこなしていくというイメージが強いが, 電卓とコンピュータのきちんとした仕切りはない。

Figure 7.1: コンピュータの構成の概要(以下,太線はバス, 細線に付けられた斜線は複数線を示す)
\begin{figure}\centering
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\begin{picture}(231,140)
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...0.4,62.6){\makebox(0,0)[b]{{\footnotesize\mc 装置}}}
\end{picture}
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コンピュータはおよそ図 7.1に示すような構成となっている。 まず動作を指示する命令やデータを書き込んだメモリー(memory), これら命令を実行する中央処理装置(central processing unit)あるいはCPU, キーボード,ディスプレー,ハードディスクなどの各種の周辺装置(peripheral unit) 7.1などから構成されている。

これらがデータを送受するためには, バス(bus)7.2と呼ばれるビット幅の線からなる平行線を利用する。 情報を送りたい装置はバスに対して付けられたスイッチをONにして, 情報をそこに載せる。 情報を受けたい装置は,同様にバスに対して付けられたスイッチをONにして, 情報をそこから受け取る。 つまり,情報の送受に関わる装置だけがバスに接続して, 情報の授受を行うのである。 まずは,装置間でデータを授受するためのデータバス(data bus)が必要である。 このバスのビット幅は前章でも述べたように,創成期は4bitであったが, その後,8bit,16bit,32bitと増加しつつある。 本書では16bit幅を前提にして議論を行おう。 つまり,図 7.1の下方にある太線は16本の平行線である。

問題1
装置側から見ると, バスへデータを出力するスイッチとバスからデータを入力するスイッチがあり, これらのいずれかをONにするか,いずれもOFFにするかの三つの状態が必要となる。 バスに三つの装置A,B,Cがついているとして, AからBに信号を送る場合に各装置がどのような状態になければいけないかを 考察してみよ。

計算の元になるデータや,計算の指示を与える命令は,メモリーに置かれる。 このメモリーの何番地にアクセスするかを知らせるためのバスも必要である。 これを先のデータバスに対しアドレスバス(address bus)と言う。 昔のプログラムはデータ幅8bitの256アドレスぐらいの量に書くことができた。 このため,アドレスを指定するために必要なビット幅は, 256アドレスに相当する8bitで済んだ。 しかし,プログラムの規模が大きくなると, その2乗であるビット幅16bitでかつ約64kアドレス(16bit) が必要となるようになってきた。 これより大きなアドレス空間を必要とする場合には, 32bit幅(約4Gアドレス)を使ったり, 容量の大きなハードディスク上に記憶し, それを順番に16bitでアドレス表現のできるメモリー(つまり約64kアドレス) に移動してきたりする。 本書ではデータ幅もアドレス幅も16bitとして説明を続ける。 つまり,図 7.1の上方にある太線も16本の平行線である。

周辺装置は,仮想的にメモリーのアドレス空間の一部に割り当てる場合が多い。 例えば,CPUがメモリーだと思って 0xFFF0から0xFFFF番地のいずれかからデータをもらうと, キーボードの文字が読み込まれたりするといった形式である。 このため,メモリーと周辺装置は対等の位置に記載している。

現在のコンピュータは,文字や画像を取り扱ったり,種々の判断をするなど, 一見,計算機械のようには見えないかもしれないが, その構成要素は最初に作られたコンピュータとほぼ同じである。 そこでまず,計算のみを目的としたやや古いタイプのコンピュータの構成について学ぼう。 古いとは言っても,現在のコンピュータもほぼ同じような構成で作られている。 しかし,本書では,よりコンピュータの全貌がつかめるよう, 意識的に, データ幅もアドレス幅も現在としては狭い幅である16bitであるとして説明を試みる。


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Yoichi OKABE 2008-03-29