本書で述べてきたコンピュータは, 特に使用目的を限定しない何にでも使える汎用コンピュータと呼ばれるものであった。 しかし,使用目的がある程度確定している場合には, その目的に沿った設計をする方が高い処理速度が得られてよい。
例えば,スーパーコンピュータ(supercomputer)と呼ばれるものは, 科学技術などの巨大な数値計算に適したコンピュータである。 データ幅を大きくし,かつ多くの算術計算を同時並行できるようにSIMDであるベクトルプロセッサと呼ばれるしくみを搭載したものが多い。 さらに,近年は1チップに複数のCPUを載せたものをさらに多数密に結合したマルチCPUのものも多くなりつつある。
ゲーム用マシンなども特別のCPU設計がなされる。 特に映像に頼ったゲームなどの場合には, 物体の反射光などの処理のための計算量が多くなる。 このため,浮動小数点計算専用とか, 光線の計算に特化したALUなどを搭載したCPUが使われる。 このように,ある程度目的がはっきりしたコンピュータには, 必要とされる機能を強化したCPUを設計するのが普通である。