連続空間上の線形微分方程式と行列とは深い関係がある。それは、両者共、固有 値問題が存在することからも容易に想像されよう。
連続空間として、簡単のために、
の一次元の有限長区間を
考えよう。これを
ごとの
個の区間に区分する。
であるとともに、
によって、連続空間にすることがで
きる。これにより、左端の番号を
、右端を
としよう。
である。
が奇数のときは、例えば左右対称に、
、
とする。第
番目の区間の中心の座標は
と
なる。また、
が偶数の場合には、全区間を半分ずらして設定し、
、
とすることにより、番号
を整数とする
ことができる。もちろん、これ以外の定義も可である。
この空間上で、関数
が定義されているものとする。上記各区間の中心点
でのこの関数の値
を
個の要素とす
るベクトルを定義してみよう。このベクトルを
と表わす。
また、この空間で、
番の一区間のみ値が 1 で、それ以外では 0 となる関
数に対応するベクトルは、いわゆる単位ベクトルであるが、これを
と表わそう。
が各中心点における関数の値である。
次に、この連続空間での線形微分方程式を考えてみよう。
は微分のそも
そもの定義を利用して、
| (30) |
あるいは、これを一つ左にずらして計算したもの、あるいはこれらの平均である
| (31) |
これらはいずれも行列で表現できる。例えば、この最後の定義を採用すると、
は次のような行列で表現できる。これは、
と展開し、
辺々を比較してみればよい。
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(32) |
二階の微分は一階微分と一つ左の一階微分の差を
で割ればよい。
| (33) |
![]() |
(34) |
例えば、波動方程式や量子力学でよく現われる次の微分方程式を解くことを考え
よう。
このことは、この方程式を行列化してみると一層理解できる。左辺は
の行列に変換できるので、次のような問題に変換できる。
| (36) |
式35 を解くには、
の形を試行解として解
くのがよいことが知られているが、式37 でも同様で、
の形の試行解を利用すると簡単に解ける。これを上
式に代入し、各行を
で割ると、
を利用して、
| (38) |
ここで面白いのは、最初と最後の式を除いて、すべて同じ式になることである。
したがって、全部で三式になってしまう。また最初の式と中間の式は
| (40) |
これで、固有値問題が解けたことになるのであるが、ピンと来ないかも知れない
ので、まとめておく。
![]() |
|||
![]() |
|||
| (41) |
このように、線形微分方程式と行列が、無数の共通点を持つことが、線形性とい う言葉だけでなく、まったく本質的に同じ概念としてまとめられることが明らか になったであろう。