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本節では束縛力(constraining force)の大きさを簡単に求める方法を示そう。ラグランジュ・
ダランベールの仮想変位の原理からスタートする。
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(A.19) |
ここで、
を
個の束縛条件に従う変位とした場合、
この式は、自由度
の
の変位に対し停留する。
個の束縛条件が次のように陰関数で与えられているとしよう。
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(A.20) |
これから
の変位に対する条件が得られる。
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(A.21) |
ここで
と再定義してある。
ここでラグランジュの未定係数法(Lagrange method of undetermined multiplier)と呼ばれる手法を利用しよう。
まずその手法について述べると、まずこれらの束縛条件の微分に任意定数
を掛け、
それらを式A.19から引いた式を作る。
![$\displaystyle \sum_i^N\left[m_i\ddot x_i-F_i-\sum_k^c\lambda_kg_{ki}\right] \,\delta x_i=0$](img1581.png) |
(A.22) |
このように新たに
個の未知数を導入することにより、
変位をまったく自由にする手法がラグランジュの未定係数法(Lagrange method of undetermined multiplier)である。
ラグランジュの未定係数法は次のように表現できる。
と置こう。
すると、
次元空間のベクトルで表現した場合、
証明すべき命題は次のようになる。
個の束縛条件の
成分を
とすると、束縛条件はベクトル
と
の内積が 0、
つまりこれらが直交していることを示す。
このとき、たまたま
と
が直交していれば、
は
の線形結合で与えらえるというものである。
例えば、
で、束縛条件が
とすると、最初の束縛条件で、
は
と垂直な面上になければならなくなる。
次の束縛条件で、
と垂直な別の面上になければならなくなる。
この結果、
はこれら二つの面の交線上になければならなくなる。
さて、ベクトル
がこの交線に垂直ならば、
が
と
の作る面内に入り、
これらの線形結合で与えられるということになる。
証明は次のようになる。
個の束縛条件が独立であれば、
を行列で表したとき、その rank は
となる。
このとき、列を適宜入れ替えて、左の
の部分行列の行列式が
0 にならないようにしておく。
束縛条件の式から
の関る部分と
の関る部分とに分ける。
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(A.23) |
左辺の行列の行列式は 0 でないから、
は
の一次結合で表わされることになる。
これは、
次元システムで、
個の束縛があるため、
の自由度があることに対応している。
つまり、
は勝手に選ぶことができ、残りはこれらから決定される。
さて、束縛条件を満す
であれば、次式は必らず成立する。
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(A.24) |
ここで、
を最初の
番の要素だけを利用し、
次式を満すように決めよう。
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(A.25) |
これを前式に代入すると、次式が成立する。
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(A.26) |
ここで、
は任意に選べるので、
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(A.27) |
が成立する。
これと
に成立した式を合せると、
次式が導かれる。
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(A.28) |
つまり、ダランベールの仮想変位の原理を示す
個の自由度を持つ式と同じ式に、
の束縛数の未知数
を係数とする式を加えたことにより、
個の
をまったく自由に変位できることになるのである。
すると、前節と同じ手続きで次の式を誘導することができる。
![$\displaystyle \sum_i^N\left[\frac d{dt}\left(\D T{\dot x_i}\right) -\D{T}{x_i}-F_i-\sum_k^c\lambda_kg_{ki}\right]\delta x_i=0$](img1603.png) |
(A.29) |
これから、保存場の場合、ラグランジュの運動方程式は次のようになる。
ただしラグランジアン
は次式で与えらえる。
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(A.31) |
また束縛力
は次のようになる。
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(A.32) |
本節で示した議論は、デカルト座標系
を基本としたが、一般座標系
で示した運動に、さらなる束縛がある場合でも、
まったく同じ議論が成立する。
その場合、これらの式の
を
で置き換えた式が成立する。
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Yoichi OKABE
2008-03-29