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ファラデーゲージ

名前は知らないが、スカラーポテンシャルを 0 とするゲージを選ぶこともできる。 つまり電場がベクトルポテンシャルの時間微分だけで決まるというゲージである。 この関係は、元々ファラデーの電磁誘導の式から導かれているので、 本書では、仮にファラデーゲージ(Faraday gauge)とでも呼んでおこう。

何らかのゲージで $ \phi$ が計算できたとして、その後、 次式を満すように $ \chi$ を選ぶのである。

$\displaystyle \phi-\D\chi t=0$ (4.37)

こうすると前節の二式は次のようになる。
$\displaystyle \D{}t\mathop{\mathop{\emph ▽}\nolimits \cdot}\nolimits \emph A$ $\displaystyle =$ $\displaystyle -\frac1{\varepsilon_0}\rho$ (4.38)
$\displaystyle \mathop{\emph ▽}\nolimits ^2\emph A-\varepsilon_0\mu_0\D{^2\emph A}{t^2}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \mathop{\mathop{\emph ▽}\nolimits }\nolimits \mathop{\mathop{\emph ▽}\nolimits \cdot}\nolimits \emph A-\mu_0\emph J$ (4.39)

このゲージの可能性が示されたので、以後はゲージの変更ということではなく、 直接これら二式を解くこととなる。 一見、$ \emph A$ を定める式が二つあるので、大変そうであるが、 第 2 式右辺は、第 1 式を利用して、 電荷の時間積分と電流だけで決定されるので、実は $ \emph A$ に関する源付き波動方程式になっている。 この解のうち、第 1 式の条件を満すものだけを採用することになる。

固定電荷があると、 $ \emph A$ がどんどん増加していってしまうので、 どちらかというと、直流解析よりは交流解析に優れている。 さらに、電荷や電流のない空間の場合には、右辺が 0 となるため、 一定周波数における導波管や空洞共振器の計算に最適である。


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Yoichi OKABE 2008-03-29