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静磁場

直流電流は静磁場を作り出すが、これが$ x$軸方向に流れると、 $ x$軸を囲むような磁場発生するため$ yz$面方向に一様という仮定が崩れてしまう。 このため、直流電流は$ yz$面内にしか流れない。 それも、$ J_y$$ J_z$も至るところ一定でなければならない。 そこで基礎となる電流として、$ yz$面内に一定方向に流れる面電流を考え、 これを $ \boldsymbol{K}$としよう。 この面電流は、静磁場を作り出す。 静磁場は面電流を右ネジに回る方向に発生し、同じく平面的である。 式で表すと次のようになる。

$\displaystyle \boldsymbol{B}=\frac{\mu_0}2\begin{cases}\boldsymbol{K}\times\boldsymbol{i} & x>0 \\ -\boldsymbol{K}\times\boldsymbol{i} & x<0 \end{cases}$ (158)

さて、電荷の場合と同じように、二枚の$ yz$平面で囲まれた領域を考える。 この領域内に電流が存在しないと、二枚の平面内は一定の磁場となるため、 左右の磁場には差が生じない。 しかし、領域内に電流が存在すると、左右の平面における磁場は異なってくる。 その差は次式で与えられる。

$\displaystyle \boldsymbol{i}\cdot(\boldsymbol{B}(x_r)-\boldsymbol{B}(x_l))$ $\displaystyle =$ 0 (159)
$\displaystyle \boldsymbol{i}\times(\boldsymbol{B}(x_r)-\boldsymbol{B}(x_l))$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \mu_0\boldsymbol{K}$ (160)

4.16より、 さらに$ yz$方向の電流が分布して流れている場合の式が誘導できる。

$\displaystyle \boldsymbol{i}\times(\boldsymbol{B}(x_r)-\boldsymbol{B}(x_l))=\mu_0\int_l^rdx\boldsymbol{J}$ (161)

これらの式も、三次元の場合の式3.18、 および式3.23などに対応することも明かであろう。

さらに、これらの式から微分形も得られる。

$\displaystyle \boldsymbol{i}\cdot\D{\boldsymbol{B}}x$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \D{B_x}x=0$ (162)
$\displaystyle \boldsymbol{i}\times\D{\boldsymbol{B}}x$ $\displaystyle =$ $\displaystyle -\boldsymbol{j}\D{B_z}x+\boldsymbol{k}\D{B_y}x=\mu_0\boldsymbol{J}$ (163)

これらの式も、三次元の場合のマクスウェルの $ \mathop\emph{\text{div}}\nolimits \boldsymbol{B}$式、 および $ \mathop\emph{\text{rot}}\nolimits \boldsymbol{B}$式の静的な場合に対応することも明かであろう。


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Yoichi OKABE 平成21年7月3日