微小電流ループ(micro current loop)の作る磁場も、ベクトルポテンシャルを用いると、
簡単に計算することができる。
ループは平面的ではあるが、その形状は任意としよう。
簡単化のために、ループは
平面内の原点付近にあるものとする。
流れている電流を
とし、まず、電流の
成分に着目する。
すると電流と x 軸の角度を
とするとき、
となる。
この分布は、前節と同様に、ループに囲まれた形状を持つ正負の一様帯電板を、
僅かにずらしたもので実現することができる。
面電荷密度を
とし、負の帯電板を
方向に
ずらすと、大部分の領域では正負が中和するが、
方向の縁には負電荷が、また
方向の縁には正電荷がはみ出す。
が十分小さければ、そのはみ出し量は正しく
となり、
を
に対応させればよいことがわかる。
このことから
方向に分極した双極子が、
面状に並んでいるとみなすことができる。
まず、原点に置かれた双極子の作る電位を求める。
この値は、十分遠方から見ると、
双極子の位置が僅かにずれてもほとんど変わらない。
そこで、これが面状に並んだ場合は、この
を単に合計し、
に替えればよい。
これから、微小ループの大きさに対し十分遠方での
を求めることができる。
同様に
も得られる。
この場合も、電流がループ状に流れているため、 ベクトルポテンシャルもループ状になっている。 なお、遠方でのベクトルポテンシャルが電流とループの面積だけで与えられ、 ループの形状に依存しないことは興味深い結果である。