前章でも述べたように、電荷密度
はスカラーポテンシャルを作る。
同様に電流が源となってベクトルポテンシャルが発生するが、
その様子は電荷がスカラーポテンシャルを発生するのときわめて似ている。
事実、ベクトルポテンシャルの式を三つの成分に分けると、
それぞれの式はスカラーポテンシャルの式と同じ形をしている。
唯一異なるのは
が
になっていること、
また、源が単位体積当たりの電荷密度の代わりに単位面積当たりの
電流密度(current density)になっていることである。
このことから、
源が電流密度の場合は、それを電荷密度だと思って静電場の解を求め、
その解の定数を変換すればよい。
この類推から、電流密度
の作る
ベクトルポテンシャル(vector potential)を求めることができる。
上式から分かるように、微小電流の作るベクトルポテンシャルは、電流の方向と 同じ向きを向き、距離とともに減衰する場である。 この基本的な概念をよく掴んでいると、電流分布からベクトルポテンシャルの 概略の分布が推定できるようになるので、以下の例で慣れていただきたい。
なお、上記積分をするというのがベクトルポテンシャルの原理的な 計算法であるが、これから示すいくつかの問題のように、対称性のよい場合は、 静電場の計算のように、ガウスの定理を利用するのが便利なことが多い。