軸に沿って流れている直線状の直流電流
の作る磁場を
考えてみよう。
この磁場は、アンペールの周回積分の法則を用いて簡単に求めることができる。
しかし、練習のために、ベクトルポテンシャルから計算してみよう。
電流ベクトルを
、
、
の三成分に分解してみると、
明らかに
成分しか持たない。
ベクトルポテンシャルの各成分は、電流の対応成分からしか
形成されないから、
しか誘起されない。
まず、
型のポテンシャルの積分という形で、
を計算してみよう。
観測点の座標を
とし、さらに
とする。
また発散を避けるために、電流路の長さを
から
に限っておく。
本来
は
であるべきであるが、
こうすると解が発散してしまう。
もともと、無限に長い電荷では、発散するのは当然の結果である。
しかし、無限大の電位ではいかんともできないので、今後の議論は、
が十分大きいものとして、上式のままで進めていくものとする。
ここで、まず平方根を
に対し他の項が小さいものとして一次近似し、
さらに
に対し
を無視した。
上の式は、内積面積分の定理を利用すると、
もっと簡単に求めることができる。
電流の
成分は
軸上だけに
の一定値を持つから、
対応する電荷モデルは
の線電荷密度を持つ直線状一様電荷となる。
まず、これの作る電場を求める。
この
とすれば、
ベクトルポテンシャル
が得られる。
いうまでもなく、
も
も0であり、
ベクトルポテンシャルは
方向を向く。
以上のことから、さきに述べたベクトルポテンシャルは電流源の方向を持ち、
遠方で減衰する形となることが理解できよう。
ベクトルポテンシャルの
を計算すると、
まわりにできる磁場
を求めることができる。