続いて、非対称に電荷を注入する場合を考えよう。
軸に沿って、負側か
ら直線電線に沿った電流によって、原点に電荷が注入される場合を取り扱おう。
またしても、
の時間、一定電流
が
流れたものとする。
電荷だけに着目すると、前小節と同じ形をしているので、それが作る
スカラーポテンシャルは、式7.30と変らない。
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(7.39) |
電流の作るベクトルポテンシャルであるが、
軸から円柱座標で
離れた観測点で、時刻
に観測されるベクトルポテンシャルは、
伝播遅延があるため、そこからの半径が
以上でかつ
以下に存在する電流だけとなる。
今度は電流が直線上にしか存在しないため、その計算はかなり
簡単なものになる。
このことを考えて A を求めると次のようになる。
なお、観測点の
が十分負の場合を、最初に取り扱おう。
電流の流れている
軸上の源の座標を
としておこう。
すると、上記の条件は
となるので、
となる。
つまり、電流路の二箇所から影響を受けることになる。
なお、
が大きくなってくると、この二箇所は連続し、さらに
となると、この条件を満す領域は消滅する。
なお、下記の定積分の区間で「,」で複数の区間が書かれているものは、複数の
不連続な区間での定積分をまとめて記述したものである。
計算上は上付の値の代入結果を加算し、下付の値の代入結果を減算すればよい。
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|||
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上記の各条件は、
で、かつ原点を囲む球殻を除いた次のような
領域である。
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(7.40) |
ただし、この話は観測点が原点に近くなってくると成立しなくなってくる。
例えば、原点の直ぐ近傍では、電流路の一箇所からしか影響を受けない。
丁寧に検討していくと、上記以外に次のようないくつかの領域に
分けられることがわかる。
なお、
は原点からの距離である。
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|||
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まず、
は、すべての境界で連続的な関数となっている。
Lorentz 条件の成立を検証しておこう。
であるから、上記
の中で、
に依存するものを探してみると、spherical shell
のところだけである。
また
も同じ領域にしか存在しない。
したがって、その領域だけで検証しておけばよいことになる。
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(7.41) |
電場と磁場は、これらのポテンシャルを利用して簡単に計算することができる。
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ただし、磁場の t は、
軸を中心とする円の接線方向の
単位ベクトルである。
この場合、電荷注入の影響は明かに光速で伝わっていくのが見られる。
注入電流と原点の電荷から発生された電磁場は、それらを中心とし距離
の領域にのみ存在している。
また、比較的近傍では、当初、クーロン電場に加えて、過渡的な電場や磁場が
存在するが、それらは次第に消え去っていく。
最後にはクーロン電場のみが生き残ることになる。
もし、全空間がごく低いコンダクタンスを有する媒質で埋められていると、誘 電緩和は明かにこの電磁場の支配領域でしか起きないため、誘電緩和現象には 光速の影響が現われる。 これが、誘電緩和の謎の答である。