超伝導体(superconductor)では電子が物質の影響を受けて互いに引力を感じる結果、 クーパー対(Cooper pair)と呼ばれる電子二つからなる準粒子(quasi particle)を構成する。 この準粒子は1/2スピン粒子二個からなるため、偶スピン (多くの金属超伝導体ではスピン 0、高温超伝導体ではスピン 1) の ボーズ粒子(boson)として振舞う。 特に、十分低温になるとボーズ凝集(Bose condensation)を起し、全体で一つの 量子力学的波動関数で記述されるような振舞いを行なう。
つまり、次式に従う。
ここで、
や
は次のような微分演算子である。
| (8.2) | |||
| (8.3) |
さらに、材料中では材料を構成する格子の正電荷を中和するように電子が
配置するため、電子密度はほぼ一定 (
) となるため、
の振幅は
一定になる。
このような場合には、
と置いて、
次式が成立する。
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(8.4) | ||
| (8.5) |
これより
| (8.6) |
つまり、式8.1は
導体の議論をする際、超伝導体を基本にすると理解が楽である。
超伝導体の電流を運ぶ粒子に対しては、次式が成立する。
| (8.7) | |||
| (8.8) |
ここで、超伝導粒子の質量を
、超伝導粒子の電荷を
とした。
また、
は運動エネルギー、
は全エネルギーである。
一方、超伝導粒子は量子力学の電子のように位相を持つことが知られている。
この位相を
とすると、次の式が成立する。
| (8.9) | |||
| (8.10) |
ここで、位相
は、超伝導理論より次の微分方程式と境界条件を
満たすことが分かっている。
![]() |
0 | (8.11) | |
| 0 (at surface) | (8.12) |
さて、
を超伝導粒子の密度とすると、次式が成立する。
| (8.13) | |||
![]() |
(8.14) |
これら式から、次の関係が得られる。
ここで、
は磁束量子(flux quantum)と呼ばれる物理量で、次式で
定義される。
![]() |
(8.17) |
これらの式を電流連続の法則(current continuity law)の式へ代入すると、ポテンシャルが
ローレンツゲージ(Lorentz gauge)であることが直ちに導かれる。
したがって、電磁場を解くには、まず
を解き、さらにこれらの
二式とポテンシャルの波動方程式(wave equation of potentials)を連立させることになる。
上式をポテンシャルの波動方程式へ代入してみよう。
ここで
は、次式で示される磁気侵入長(magnetic penetration depth)と呼ばれる
長さである。
![]() |
(8.21) |
とすると、自由空間の式になるので、
超伝導の効果を簡単にチェックすることができる。
実際の超伝導体では
m 程度以下の極めて小さな値である。
が有限のとき、上式の左辺は減衰型の波動方程式と
呼ばれるもので、各ポテンシャルが、超伝導体の表面から
の
特性長で指数関数的に侵入する解を持つことを示す。
もちろん、これらの方程式は超伝導体の内部だけで成立する。
外部では元々のポテンシャルの波動方程式の右辺を 0 とした方程式が
成立する。
それでは、実際に解いてみよう。
外部磁場中の円柱
ドーナツ的な円帯の保つ磁場
式8.15と8.16をローレンツゲージのポテンシャルの 基本式8.19と8.20へ代入してみると、直ちに次式が 得られる。
電位が異なる場合
次に
と
を考えよう。
これらは
と
および
から
求めることができる。
はゲージであるから、適当に選ぶことができるので、
至るところ
であるとすると、
と
は
と
に比例するから、超伝導体中ではやはり
表面から
程度の深さまで指数関数的に減衰していく。
このとき、表面でのポテンシャルの値はポテンシャルの深さ方向の勾配の
倍となる。
空間側でのポテンシャルは超伝導体中のポテンシャルと、値も勾配も
連続となることから、超伝導体表面付近では同様の性質が成立する。
超伝導体の
は
m 以下の極めて小さな
値であることから、
とすると、超伝導体表面では
ポテンシャルの勾配は存在しても、ポテンシャルの値そのものはほとんど0
であることが導かれる。