next up previous contents index
Next: 導体と電荷の作る静的なスカラーポテンシャル Up: 導体とポテンシャル Previous: 導体内でのポテンシャル   Contents   Index

導体表面でのポテンシャル

導体の表面を考えよう。 ここで、表面を挟むように置かれた円板状の領域を考える。 ここで、電磁誘導の式の積分形を適用してみる。 電場の表面垂直方向の成分は外積に効かないこと、導体内の電場は 0 であること、円板は十分薄いことから、 その体積積分は限りなく小さくできることを考慮すると、 導体外の電場に対し、次の式が得られる。

$\displaystyle \emph E_t=0$ (9.5)

また、同じ形状の領域に、磁場の発散が 0 の積分形を適用してみると、 磁場の表面平行の成分は内積に効かないこと、導体内の磁場は 0 であることから次の式が得られる。

$\displaystyle B_n=0$ (9.6)

これら二つの式が、導体表面付近の空間側の電場磁場が満すべき条件である。 空間中の電磁場に対し、これらの条件は境界条件(boundary condition)と呼ばれる。

さらに、同じ円板状の領域に電場の発散の積分形を適用してみると、 面電荷密度に関する次の式が得られる。

$\displaystyle \sigma=\varepsilon_0E_n$ (9.7)

同様に、磁場の回転の積分形を適用してみると、 面電流密度に関する次の式が得られる。

$\displaystyle \emph K=\frac1{\mu_0}\emph n\times\emph B_t$ (9.8)

次に導体内のポテンシャルについて考えよう。 このとき次の式が成立する。

  $\displaystyle \emph E$ $\displaystyle =-\mathop{\mathop{\emph ▽}\nolimits }\nolimits \phi-j\omega\emph A=0$ (9.9)
  $\displaystyle \emph B$ $\displaystyle =\mathop{\mathop{\emph ▽}\nolimits \times}\nolimits \emph A=0$ (9.10)

第 2 式より $ \emph A$ を適当なスカラー関数 $ \phi$ の勾配で表わすことができる。

$\displaystyle \emph A=\mathop{\mathop{\emph ▽}\nolimits }\nolimits \chi$ (9.11)

これを第 1 式に代入すると、次式を得ることができる。

$\displaystyle \phi=-j\omega\chi$ (9.12)

特に準静的(quasi-static (adj.))な場合には、 $ \omega\rightarrow0$ であるので、 $ \mathop{\mathop{\emph ▽}\nolimits }\nolimits \phi=0$ となり、$ \phi=$const となる。

導体表面では、これらのポテンシャルがそのまま、 導体外へも接続していくことになるが、$ E_n$$ \emph B_t$ とも導体表面に誘導された電荷分、電流分の不連続を持っている。 前者の不連続は $ \partial\phi/\partial n$ の不連続で説明でき、 後者の不連続は $ \partial\emph A_t/\partial n$ の不連続で説明できる。


next up previous contents index
Next: 導体と電荷の作る静的なスカラーポテンシャル Up: 導体とポテンシャル Previous: 導体内でのポテンシャル   Contents   Index
Yoichi OKABE 2008-03-29