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導体と電荷の作る静的なスカラーポテンシャル

導体のそばに電荷を置くと、導体上には正負逆の電荷が分布して誘導される。 スカラーポテンシャルは、これらの電荷によって構成されるが、 誘導電荷(induced charge)は、 電場が導体表面に垂直になるように配置されなければならない。 動的な場合には、電場にはベクトルポテンシャルの効果が入ってくるので、 結構面倒なことになるが、静的な場合には導体表面で $ \phi=$const となる。

例えば、 一個の電荷と無限平面状の導体の作るスカラーポテンシャルを見てみよう。 まず、孤立電荷の作るスカラーポテンシャルは次式で与えられる。

$\displaystyle \phi=\frac Q{4\pi\varepsilon_0}\frac1r =\frac Q{4\pi\varepsilon_0}\frac1{\sqrt{x^2+y^2+(z-a)^2}}$ (9.13)

ただし、導体は $ xy$ 平面にあり、孤立電荷の高さは $ z=a$ とする。

導体上の誘導電荷はこの $ z<0$ 側のポテンシャルを打ち消す必要があるので、 誘導電荷が $ z<0$ に作るポテンシャルは次の形をしていなければならない。

$\displaystyle \phi=-\frac Q{4\pi\varepsilon_0}\frac1{\sqrt{x^2+y^2+(z-a)^2}}$ (9.14)

誘導電荷は上下対称のポテンシャルを作っているはずなので、$ z>0$ のポテンシャルはこの式の $ z\rightarrow-z$ とすれば得られる。

$\displaystyle \phi=-\frac Q{4\pi\varepsilon_0}\frac1{\sqrt{x^2+y^2+(z+a)^2}}$ (9.15)

これらの総和は $ z\leq0$ で当然 0、また $ z>0$ では次のようになる。

$\displaystyle \phi=\frac Q{4\pi\varepsilon_0}\left(\frac1{\sqrt{x^2+y^2+(z-a)^2}} -\frac1{\sqrt{x^2+y^2+(z+a)^2}}\right)$ (9.16)

この結果より、誘導電荷密度は $ -\varepsilon_0\mathop{\mathop{\emph ▽}\nolimits }\nolimits \phi\vert _{z=0}$ より計算することができる。

$\displaystyle \sigma=-\frac Q{4\pi}\frac{2a}{\sqrt{x^2+y^2+a^2}^3}$ (9.17)

当然のことながら、これをこの平面上で積分すると、$ -Q$ となる。

なお、この空間側におけるポテンシャルは、 導体を鏡面に見立てたときの鏡像に位置に $ -Q$ の電荷を置き、 誘導電荷を 0 としたときのポテンシャルの総和と一致する。 こうした計算法は鏡像法と呼ばれる。


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Yoichi OKABE 2008-03-29