物質がある場合、式11.41の右辺の全電流(および全電荷)
は
自由電流(および自由電荷)
と
束縛電流(および束縛電荷)
から構成される。
第5章より、束縛電流は
、
束縛電荷は
で与えられる。
も
も四元ベクトルであるが、
特に束縛電流は
や
といった他の量から導かれるものであるので、
束縛四元電流は四元テンソルの微分で与えられる可能性が高い。
(式5.12)、
(式5.23)
から類推できるように、このテンソルは電磁テンソルと形が似ているはずである。
結論を記載すると、まず磁化テンソル(magnetization tensor)を式11.40に似せて、
以下のように定義する。
本節でいくつかの四元ベクトルやテンソルを紹介したが、
これらはいずれも相対論的座標変換を受ける。
例えば、磁化テンソルも電磁テンソルと同じ変換を受ける。
したがって、相対的に移動している座標では、次のように変換される。
| (529) | |||
| (530) |
ここで、分極
を動く系から観測してみよう。
と置くと、
は若干変化するが、
新たに
なる磁化が生じることがわかる。
分極により生じた正負の電荷が
の方向へ移動するので、
結果的に電流が流れ、磁化となるのである。
次に磁化
を動く系から観測してみよう。
と置くと、
は若干変化するが、
新たに
なる分極が生じることがわかる。
つまり、磁石を動かすと分極が発生することになり、
結果として電場が発生することが導かれる。
ちょっと意外な結論である。
これについては、12.3節で、改めてその本質について述べる。