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ファインマンの作用反作用のパラドックス

作用反作用の理が成立するかどうかを議論するには、 同時性という概念が重要となる。 古典力学でも、作用反作用の関係は異なる時刻における力同士には成立しない。 厄介なのは、この例に見られるような動いている質点間に働く力である。 古典力学では、観測座標系が動いていようがいなかろうが、 時刻は同じであった。 つまり、ある座標系で同時刻に起る事象は、 他の座標系でも同時刻で起るのである。

しかし、相対論の結論は、ある座標系で同時刻で起る事象も、 別の座標系では異なる時刻で起る可能性があるのである。 この例の場合、両質点共動いている。 そこでの両者に働く力は、 他の座標系で見ると異なる時刻に働く可能性が高いのである。 したがって、作用反作用の理が成立するとは限らないのである。 しからばいかなる座標系で見ればよいのだろうか。 少なくとも、片方の質点が静止している座標で観測すればよい。

もう一つの考え方は、ポインティングベクトルである。 ポインティングベクトルの概念は、 任意の閉曲面で囲まれた領域内の電磁場のエネルギーの生成消滅を計算した結果、 単位面積当り $ \emph S=\emph E\times\emph B/\mu_0$ のエネルギーが閉曲面を経由して流れ出ていくという関係から導かれたものである。 相対論から、エネルギーに対応して外向きに $ \emph S/c$ なる運動量の流れが存在することが言える。 電磁場の計算は相対論と矛盾しないことが分っているので、 この関係を使えば、両電荷が動いていても、 全運動量の保存則が成立することとなる。


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Yoichi OKABE 2008-03-29