末續選手で有名になったナンバ (難波) 走りに近いフォームをとると、 ステップを登る際、負担が少なくなる。 具体的には、左足を次のステップにかけるとき、左腰も左足の上の方へ移動する。 こうすることで、重心を上げていくとき、重心は左足の真上にあるから、 足首や脹脛に対する負担が減少するのである。
そもそもナンバ走りは、江戸時代から着物の着付けを崩さない方法として、 日本人が使っていたと言われる走法である。 左足を前に出すときに左腰と右肩が前にいく。 この結果、右腰と右足は後方へ引かれ、 右足が地面を蹴る際、右肩、右腰、右足が直線をなすような形となる。 左腰と右肩が前のとき、右腰と左肩が前になる、 つまり、胸に捻じれが入る走法である。
山登りでは、これほど急ぐことはないので、 左足の位置の真上に左腰が来るように腰を捻ればよい。 重心を上げる際、重心の重心移動が先行して行われているため、 速度はやや速くなる。 また、軽い登りや水平歩き、軽い下りでナンバ歩きを利用すると、 腰を進行方向に捻る分、ストライドが大きくなるため、 同じペースでも平均速度が上がる。 前の人と間隔が開いたときに、ナンバ歩きをしてみると、 無理をしないで追い付くことができる。
何か新しい登り方の提案のように感じるかも知れないが、 この腰の移動法は、昔から、雪のラッセルの際、使われてきている。 深雪に左足を踏み出す際、左腰も一緒に出すのである。 そうしないと、高い足場に登り切れないのである。 さらに、左足に大きな重量がかかるため、雪がしっかり固まるのである。 これを「足を踏み出すときには、足の上に体を載せろ」と表現してきたのである。 今になって思えば、ナンバ歩きであったのである。
いきなり山で、この歩き方を使うのは困難なので、 日常に練習しておくことを薦める。 まずは床の上に座って、膝で前にいざってみる。 左膝を出すとき、右肩が前へ出るように胸を捻じる。 手の動きはどうなろうと気にしなくてよい。 簡単なのは、肩の移動に合せて振るのでよい。 つまり、従来の洋風と同じように振ることになる。 次に胸の捻れを今迄と同じに保って、膝立ちをして膝で歩いてみよう。 この肩と腰の逆捻りのコツを十分体に覚えてから、 次は立って、左膝と一緒に左足を出すようにすればよい。 急ぐと形がわからなくなるかも知れないが、まずは足と腰を同じように動かし、 次に腰と肩を逆に動かすよう留意すればよい。