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へっぴり腰はなぜ悪い?

雪山に限らず、下りにおいて恐怖心から腰をひいてしまう入門者は多い。 当人は、転倒しても大丈夫なようにという心理が働いての振る舞いであるが、 これが転倒を引き起こし、大変危険なのである。 なぜ、腰をひいてしまうと転倒してしまうのか? その原因は、重力による生じる重心から真下へ向う力と地面 (雪面) からの反作用による力がずれてしまい、回転力が起ってしまうことにある。 人間の重心は、おへその辺りにあると考えていい。 そこから重力によって真下に力が発生する。 また、足と雪面の接面からも、体を支えるための力が発生する。 歩行中であれば前に出した足のつま先から踵まで範囲から発生してると言える。 通常、やや前傾姿勢で下っているバランスの良い状態では、 その重心 (へそ) からの力と、接面からの力が一直線上に並び、相殺される (図2.1参照)。 その結果、``安定'' となるのだ。

図 2.1: バランスが良い状態: 雪の抗力と重心からの力が相殺され、体のバランスは安定する。
\includegraphics{fig/good-balance.eps}

一方、腰がひけて ``へっぴり腰'' となるとどうなのか。 腰がひけているといっても、 後ろに残った足の踵よりも重心が前方にあるようならば大丈夫。 しかし、後ろに重心がかかると下るスピードは遅くなるし、 安定性の余裕もなくなるので注意。 重心が後ろ足の踵より後方に位置してしまうと、重心から真下へ発生する力と、 足から真上への力がぶつからず、すれ違ってしまう (図2.2参照)。 すると、体には回転する力が起きてしまい、足がすくわれて転倒してしまう。

図 2.2: 腰が引けてバランスの悪い状態: 雪の抗力が重力とすれ違ってしまい、回転力が発生する。
\includegraphics{fig/bad-balance.eps}


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Yoichi OKABE 平成19年11月20日