古典力学におけるニュートンの運動方程式を、次のように変形してみよう。
| (3.6) |
このように、運動方程式とは、
における
、
の値が、それから
僅かな時間、
後に、どれだけ変化するかを示したものである。
同じように、
が、
後にどれだけ
変化するかを考えよう。
と
の差は、
次のようになる。
は何も待たないことになり、状態を変換しないオペレータ
に等しいから、
は
で
になる。
が増加するにつれ、
の
各成分は、
からずれていく。
従って、
を
で割り、
とすれば、
の各成分を
で
微分したオペレータが得られる。
これを、慣習上、
と表す (
は、後に
示すように、物理的な量との対応をとるための、調整用に入れた量である)。
| (3.8) |
この
をハミルトニアンオペレータ(Hamiltonian operator)と呼ぶ。
この定義を用いると、式3.7の両辺を
で
除し、
とすることにより、次の微分方程式を得る。
これが、量子力学における運動方程式(equation of motion)である。
がユニタリーオペレータ(unitary operator)であると、その微係数の
倍である
は、次の式を満たすことがわかる。
この関係を満たすオペレータを、一般に、エルミートオペレータ(Hermitian operator)と 呼ぶ。
問題3..2
より、その微係数の
倍の
が、エルミートオペレータとなることを示せ。
ヒント
とし、与式へ代入し、
の一乗の項を比較してみよ。
問題3..3 運動方程式3.9を、成分に展開した形で表してみよ。
答え
あるいは、丁寧に書くと次のようになる。
上式には、
という
個の変数が含まれ、かつ、それぞれの
一次の微分しか含まれていない
元 1 階線型微分方程式となっている。
特に、
が、
に依存せず、
だけの関数
になるとき、つまり、時不変な系では、
は
に依存しない一定のオペレータとなり、
式3.11または式3.12で、
なる係数が、すべて、時間によらない
一定値となる。
このような時不変の系というと、何も運動がないように、
勘違いしがちであるが、あくまでも、環境が時不変であるだけであって、質点は
運動するものであることは、以下の各節で示される。