ポテンシャル中の粒子の運動方程式を、解いてみよう。まず、本節では、 定常状態の解を求める。いつものように、以下のように置く。
| (6.65) |
その結果、シュレディンガー方程式は次のようになる。
| (6.66) |
に関する微分が消えたので、変微分記号
は常微分記号
に置き換えている。
この方程式は、
が特定な形の場合は、解析的に解くことができる。
しかし、
の形が、具体的に与えられていても、必ずしも、いつも
解析的に解けるとは限らない。
そこで、ここでは勝手な形の
に対し、視察により直観的に、概略の
解を求める方法を示そう。
まず、上式を変形する。
| (6.67) |
この式の意味することは、
と
と
が与えられれば、
その位置での
の二次の微係数が、計算できるということである。
であると、二次微係数の符号は、
の符号と同じになる。
つまり、図6.9のように、
のときは、上向きに
曲がり、
のときは、下向きに曲がり、常に、
軸から離れる
方向に曲がる。
この曲がり方は、
が 0 に近づくほど減ってくるので、
場合によっては、横軸に指数関数的(exponential)に漸近する形が得られる。
一方、
であると、二次微係数の符号は、
の符号と逆になる。
(a)のように、
のときは、下向きに曲がり、
のときは、
上向きに曲がるようになる。
そこで、
は正弦波的(sinusoidal)に、振動することとなる。
以上の点を考慮して、V(x)が図6.10のように
与えられているときの、
の変化を求めてみよう。
当然
の値によって、変化の様子は異なるが、まず、
が
の底よりも低い場合を、考えてみよう。
は、
によらず常に正となるので、
は、全領域で
横軸から離れる方向へ、曲がっていくこととなる。
このような解は、非常に始末に悪い。
と言うのは、このような解の絶対値の二乗を全空間で積分すると、その結果は、
どう工夫しても、無限大となってしまうからである。
つまり、粒子を各位置に発見する確率密度の和を、1 とすることが、どうしても
出来ないこととなる。
このことから、エネルギー固有値
は、必ず
の底よりも、
大きくなければならないことが、わかる。
エネルギー
が
の底よりも、ある程度大きくなると、
の変化には、指数関数的な変化と正弦波的な変化の両方が、混じってくる。
の絶対値の二乗の積分が1にならねばならないから、少なくとも、
の左の裾は、左にいくほど、指数関数的に横軸に
漸近していなければならない。