強い光の場合に現れる、光強度の干渉パターンは、実は、光源を出た光子が、 スクリーン上で発見される検出確率に、干渉性のあることの反映であることが、 分かった。 確率(probability)に、干渉性の現れるということは、確率にも、振幅のような 概念があって、その 二乗で確率が与えられる、とすればよい。 このような振幅の概念を、確率振幅(probability amplitude)と呼ぶ。
例えば、光源
を出た光子が、
だけ離れた点にある検出器に捕まる
確率を考える。
その対応する確率振幅が、波動のように、
に比例する、と
考えると、干渉実験の場合の干渉パターンを、正確に理解することができる。
ここで
は、単位長当たりの波数(wave number)
の
倍である。
単位時間当たりの波の数を周波数(frequency)と呼び、その
倍を、
角周波数(angular frequency)と呼ぶことから、今後、
を角波数(angular wave number)と
呼ぶことにする。
また、分母に
があるのは、光の強度、つまり、光の検出確率が、距離の
二乗に反比例すること、を示している。
ただ、この表現には、やや問題がある。
角波数
を持つ光子が、光源から
だけ離れた点で見つかる
検出確率は、
に反比例するだけのはずなのに、上記の確率振幅の
二乗は、空間に波長ごとの脈動を示すからである。
これを避け、なおかつ干渉性を保つには、確率振幅を
の
代わりに、次のようにし、検出確率を、その絶対値の二乗とすれば良い、ことが
分かる。
は、その絶対値が1となり、一定であるが、角波数
の
周期性を内在しているので、二つの波が合流すると、干渉性を
示してくれるからである。
左辺は、「光源を出た光子」が、「
の位置にある検出器」で検出される
確率振幅を、表す記号である。
このように、確率振幅を複素数で表し、それに合わせて確率を、次のように
与える。
さて、図1.7の干渉実験を、式1.2 の
関係を用いて、説明してみよう。
光源
を出た光が、スクリーン上の
の位置で検出される
確率振幅は、窓 1 を経由する場合の確率振幅と、窓 2 を経由する場合の、
和になる。
従って、
から、窓 1、窓 2 までの距離を
、窓 1 および窓 2
から、
までの距離を
、
とすれば、確率振幅は次式で
与えられる。
ここで、
の中に、「光源
」などと書く
替わりに、簡単に「
」などと略記した。
の値は、窓 1 と窓 2 の大きさ、検出器の大きさにより、
変わるはずであるが、両方の窓の大きさを等しいとして、同じ値とした。
この確率振幅の、絶対値の二乗を求めると、光源
を出た光が、
スクリーン上の
の点で検出される確率、
が、
近似的に、次のように変化することが、得られる。
つまり、
に対して、図1.7 (c) のような
正弦波的変化をすることが、示される。
問題1..5
ヒント
が
に対して十分小さいとき、つまり
が
十分大きいときは、
は
の僅かな変動に対し、大きく
変化するのに対し、
は、それほど変化しない。
このことから、式1.4の分母
、
を、
に等しいと、近似する。
また上式より、
なる量が出てきたときは、これを
と近似せよ。
複素数の絶対値の 二乗は、それ自身とその共役量との積で求められる。
問題1..6 図1.7の干渉実験で、
m、
mm、光の波長を
nm (nm とは
m であり、可視光線の波長は数百 nm
位である) として、干渉縞の間隔を求めよ。
ヒント
式1.5
答え
mm