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: 多粒子系のハミルトニアンの一般的な取扱い : 多粒子系 : ボーズ粒子系のハミルトニアン   目次   索引

フェルミ粒子系のハミルトニアン

同一のフェルミ粒子系のハミルトニアンを求めてみよう。ここでも、前節と 同様に二つのフェルミ粒子が二格子上にある場合を考えよう。その他の条件は 前節とまったく同じであるとしよう。この場合も、基底状態としては 各格子点にいくつの粒子が入っているかを記述した数表現を考える。


\begin{displaymath}
\left\vert 1,1\right\rangle =\frac1{\sqrt2}(\,\left\vert S_1,S_2\right\rangle -\left\vert S_2,S_1\right\rangle \,)
\end{displaymath} (9.40)

と、今度は同一の場所に二粒子が入るような状態はそもそも無くなる。 唯一存在する状態は左端と右端に一つずつ入っている状態である。

この ket 状態に $\widehat{H}$ を掛けたものを求めよう。


    $\displaystyle \widehat{H}\left\vert 1,1\right\rangle =(\widehat{H}_X+\widehat{H...
...rt2}(\,\left\vert S_1,S_2\right\rangle -\left\vert S_2,S_1\right\rangle \,) \cr$ (9.41)

これより直ちに $\widehat{H}$ の一行一列の成分が求められる。


\begin{displaymath}
(2E_0-B)
\end{displaymath} (9.42)

この結果は先に求めた同一でない二粒子のハミルトニアンの第1、4行を捨て、 第2、3行を $1/\sqrt2$ 倍ずつして差をとり、さらに第1、4列を捨て、 第2、3列をやはり $1/\sqrt2$ 倍ずつして差をとった結果になっている。

この固有値問題を解くと

\begin{displaymath}
E=2E_0-B: \qquad \left(\matrix{1}\right)
\end{displaymath} (9.43)

となっており、ここでも同一でない二粒子のハミルトニアンの固有値問題との 深い繋がりを感じさせる。

実際、同一でない二粒子とボーズ二粒子、フェルミ二粒子のエネルギー固有値が $B$ を増やしていくとどう変化するかを図示すると

図 9.1:
\begin{figure}\centering
\begin{picture}(300,100)(0,0)
\put(0,0){\framebox (300,100){}}
\end{picture}
\end{figure}

9.1のように、同一でない二粒子系の四つの固有値のうち 三つがボーズ粒子系の固有値に、一つがフェルミ粒子系の固有値になっている。 この様子は、第8章で述べた二つのスピン 1/2 粒子の結合系の 答えと酷似している。確かに、スピン交換と粒子交換には高い相関があるので、 当り前の結果ともいえよう。事実、半整数スピン粒子がフェルミ粒子となり、 整数スピン粒子がボーズ粒子になる秘密はこの辺にあるのである。


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Yoichi OKABE 平成19年6月30日