スキーの角を立てればエッジングできることになっているが、その際、気を付けなければいけないことがある。 特にカリカリの急斜面において、しばしば横スライドが発生する場合には、エッジングが不足なのである。 それでは、どのくらいの角度でエッジングするのがよいのであろうか。
スキー板の裏が斜面に平行に近くなると、明かにエッジングは緩んでくる。 逆にスキー板の裏を斜面に垂直に近くすれば、エッジングは強くなるのだろうか。 答はその通りなのである。 図 6.6に示すように、スキーヤーが板を押す力は重心とエッジ場所を結ぶ荷重軸の方向になる。 回転中の荷重軸は鉛直方向とは限らないことに注意して欲しい。 一方、雪面がスキーを押す力は雪面垂直方向となる。 このため、スキーはこれら二つの合力の方向へ滑り出す。 (a)のように板が平踏みに近いと、板は谷側へ滑り出す。 一方、(c)のように板を山側へ倒すと、板は山側へ滑り出し、その結果斜面に食い込んで行くが、やがて山からの反発力により、それ以上の食い込みは停止する。 両者の境が、(b)のように板が荷重軸に対し垂直である場合である。 実際には、(b)の場合、足元では滑りは発生しないが、トップやテールでは板が捻れるため、(a)のような状態になり、実際には谷側への滑りが発生する。 また、靴の固定が悪い場合にも容易に滑り出すため、確実なのは(c)のように、板を荷重軸垂直よりも内側へ倒しておかないと、エッジングがかからない。
このようなエッジングは、図 6.7に示すように、膝を山側へ入れることで達成される。 腰を谷側に折ることでも、若干は達成できるが、腰の位置が重心に近いため効果は少なく、腰の折り曲げ効果はむしろ上半身を鉛直に維持するために必要であると言った方がよいであろう。 注意したいのは、回転の際のように、荷重軸が寝ている場合でも、板は鉛直軸が基準ではなく、荷重軸に対して垂直以上に山側に倒さねばいけないので、相当強い意識が必要である。 急斜面でスライドが止められない人は、ぜひ膝を山側へ入れて欲しい。