板の置くべき内向き角度は図7.2の原理図から
計算することができる。
まず板の方向余弦を求めよう。
方向余弦とは板の入る直線に置かれた単位長のベクトルの三成分のことである。
板のフォールラインからのずれ角を
とすると、その
成分は
直ちに求まり、
となる。
続いてそのフォールライン方向の成分は
になるので、
斜面の傾斜角を
とすると、その
成分は -
、
成分は
となる。
まとめると、板の方向余弦は次のようである。
| (7.1) |
これと直交する面は次式で与えらえる。
| (7.2) |
面に入っている撃力の三成分を
とすると、これが
上記の面に入っていなければならないので、次式が成立する。
| (7.3) |
これよし、撃力の方向を与えたときに、板のとるべきフォールラインからの 角度は次式のように得られる。
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(7.4) |
ここで、
は撃力の
軸から
軸方向への傾角を
示している。
この式から、いろいろな勾配のバーンで、どのくらいの角度で
エッジングをしなければならないかを求めた結果を、図7.4に
示す。
傾斜角
として、初級から中級用の 15
、中級から
上級用の 30
、上級用の 45
の三種類を
考えることにする。
おおよそ、こぶが発生するのが 25
から 30
以上の
斜面といわれている。
30
傾いた撃力の処理に必要な板のフォールライン方向からのずれ
角
を求めてみよう。
より、着地バーンが
水平ならば、この交線は明らかに正面方向を向く。
15
バーンではずれ角 8
、30
バーンでは
16
、45
バーンでは 22
のところで
エッジングを掛ければよいことが導かれる。
およそバーン斜度の半分ぐらい回転させたところで踏み
切ればよいことがわかる。
ありえないケースであるが、極限的に着地バーンが
バーン、
つまり鉛直の場合でも、交線は水平より下方に
傾くだけである。
つまり、スキーヤーやボーダーにとって、水平バーンなら板を
軸方向に
向け、ひどく傾斜したバーンでも雪面のフォールライン方向から
傾けた方向に板を向けるだけでよいことが分かる。
うんと急傾斜でもこの角度以下でよいことになる。
以上で必要な方向の撃力を得るために、板の置くべき方向は計算できたが、 板をそのように置いても、撃力の方向をこちらの思う通りに 制御できるのであろうかという疑問が湧いてくる。 しかし、それは比較的簡単なのである。 重心に対し、着地点をどう置けばよいかで、撃力の方向は一義に 決定されるのである。 ここで、着地点とは着地した際の板のほぼ中央の地点を意味する。 この際、板の体に対する角度をうまく調整して、撃力が重心に 向うようにしなければ不安定となる。 つまり、足の中央で板を踏みしめるようになっているとすると、撃力は、 着地点より重心に向って発生するから、着地点を自分より前に持ってくれば、 撃力は、後向きになり、着地点を右寄りにすれば、撃力は左向きとなる。 着地点と重心を通る軸に対して、板はある程度回せるが、これにより、板の 最大傾斜線に対する角度を調整できることになる。
滅多にないことであるが、着地点が登り坂だったらどうしたらよいのだろうか。 この場合は、板の先端を、ターンしていく方向と反対の外向きに向けて着地する 必要がある。 しかし、普通こうした場合には慣れからやはり先端を内向きに 向けてしまうものである。 すると、撃力の前後方向の成分はどうやってもキャンセルできなくなり、 後ろ向きのショックを受けることになる。 したがって、登り坂ではなるべく力を入れないようにして、乗り越え、その先で 撃力を与えるようにしないと、尻餅をつくことになる。 コブの谷間では気を付けなければいけない対応策である。