コブ(bump)が発達するのは、まず、S字の連続するシュプールがあり、特に チェックの部分が深めに削られていく。 その結果、このチェック部分に落ち込みやすくなるため、何人もが、この部分で チェックをするようになり、その凹みは益々劇しくなっていく。 この様子はモーグルバーンのシングルレーンの凸凹の発生を 見るとよくわかるであろう。 平行な複数のシュプールがある場合にも、隣のチェックで削られた凹みを 利用してチェックを入れるようになるため、結局、図11.1に 示すようなチェック部分がやや平らで、その直ぐ下がやや急斜面の 構造ができあがる。
この S字の溝からはみ出す者や、この溝に滑り込むように斜滑降する者などの シュプールがこの溝を X字の形に進展させる。 すると、これと逆波形の S字の滑降路も安定に滑れるようになってくる。 前図にその左右を入れ替えた図を重ねると、図11.2に示すような X 字形のメッシュが構成されるが、これは正にコブ斜面である。 この図は、たった 23度程度の斜度であるが、コブが発生すると、前図に 比較し、恐しく急斜面に見えてくるので不思議なものである。
コブ斜面(bump bahn)というと、どうしてもコブの方に目が行きがちであるが、 削られた谷が形成する構造なのである。 一定の深さの S字の組み合わせとは異なり、チェックの部分がえぐれるため、 コブの山側では比較的平らになり、逆にコブの手前から谷に滑り込むところで、 急斜面となっている。 初心者は、この急斜面を嫌うため、どうしても直下の平部分に回り込めず、 水平方向へ逃げてしまうが、その場合は減速できないまま、回転の難しいコブの 山側へ入ったり、次から次にコブが出現することとなり、かえって処理が 困難となる。
コブの生成のプロセスからも明かなように、元々のコース取りは、谷を 中心として滑り、X字の交点付近を弧の最大の張り出しとして、元の方向へ戻る 形となる。 したがって、コブ手前の比較的平らな平地から、谷を経由して一番近い平地へ 出、また谷を経由して元々の平地の真下にある平地へ降下するのである。 これ以外のコース取りは、事態をかえって難しくする。
このように、いきなりコース取りが指定されてしまうのは、初心者に対して 大きな負担である。 この恐怖心を除去する方法は、斜度の弱い斜面から始めるか、コブの発生が余り 顕著でない早朝時から練習を開始するか、次節に述べるスライドターンから 始めることである。