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コブのカービングターン

これで速度が制御できるようになったら、チェックの際、スキーをバーッと 横ズレしないようにする。 それには、チェックポイントを僅かに谷のコブ寄りへ移動する。 また、チェックポイントにおける回旋を少し抑え気味にする。 結果として横滑べりの幅が狭くなっていく。全体に速度が上がってくるので、 峠越えの際、体が下から突き上げられるようになる。 これに対処するには、峠に入る前に上体を覆い気味とし、山の裏側 (谷側) を 覗くような姿勢をとる。 これを極端にし、最終的には谷だけを利用して滑べり降りると、 カービングターン(carving turn)の最終形となる。

図 11.4: コブ斜面のカービングターン (太線はチェックポイント)
\includegraphics[scale=0.375]{fig/bump.carv.eps}

最初に図11.4に見られるコブ手前の比較的 フラットなところからスタートしよう。 この平地を乗り越えると峠に出、雪面は突然落ち込み、谷に沿ってこのコブを 回り込むことになる。 この際、恐怖に駆られ、少しでも山回り気味に滑り込むと、そのまま次の平地で チェックできず、すっぽ抜けてしまう。 最初のうちは横滑りも併用し、また落ち込みにも耐えて、きちんと直下の平地へ 到着するようにしなければならない。 つまりこのときにも尾根を越えないようにする。速度が上がってくると、コース 取りが徐々に山側から谷底へ降りてきて、ついには反対側の壁を 使うことになる。

コースに沿った凸凹の程度は、通常のフラットバーンに比ると、かなり大きい。 特に、平地の縁の峠は大きく突出しており、そこを乗り越えるときには、 十分膝を引き付けて抱え込み抜重しないと、雪面からの力で 跳ね上げられてしまうことになる。 また、この瞬間、しゃがんだ体型で S 字を描き始めないといけないので、 ストックをコブの頭について、効果的にきっかけを得る。 さらに、この峠を越えた直後には斜度は急激に厳しく凹み、 ジャンプになってしまうこともある程であるので、体が遅れがちとなる。 抱え込んで直ぐ足を延し、かつ体を遅れないようにしなければならない。 これらはいずれにせよ、チェックの際ブレーキを掛け過ぎて 後傾になることないように努力すれば避けられる。

この際、視線の位置をうまく選ぶと、ブレーキを抑え、かつ後傾を 防げることができる。 視線を目前の恐怖の対象である峠に据えないで、峠の先の下り斜面を見るように 移動するのである。 人の動きは往々にして視線に引っ張られるので、峠の先へ出ようという 反射運動により、峠前の後傾がかなり抑えられるようになる。 最終的には視線はずっと先を見るようになる。

速度制御は、主としてチェックで行なうが、必要に応じ、コブ後の下り斜面で 横滑べりを入れる。 しかし、最終的には、谷の反対側の面を滑ることによりカーブを膨らませ、深い カービングターンをすることによる速度制御を行うのが望ましい。 なお、チェックの際には比較的高い姿勢で、峠越えは屈身姿勢で、 また急斜面降下は伸身しながらで、伸び切ったあたりで再び次のチェックに 入るというリズムになるので、これを習得して欲しい。


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Yoichi OKABE 平成19年6月30日