まず、もっともゆっくり下る方法として、横滑りを多用し、かつコブの頭で
速度を殺すスライドターン(slide turn)からスタートするのがよい。
図11.3に見られるように、この場合、コース取りは最初の
コブの頭手前の平地から谷に向かう。
谷に入る手前に平地の縁、以後峠と呼ぶ、がある。峠では、スキーの接地面積が
少なく、比較的スキー回旋がし易いので、やや山に乗り上げるような形で、
真下のコブ方向へスキーを曲げる。
その後、斜め
下の平地を目標にしてほぼ完全に横滑べり、そこへ
着地する。着地したとき、スキーは一回前の平地の真下の平地である次の
目標点の方を向いている。以後、再びこれを繰り返す。
私の場合、今迄は複数のコブごとに回転していたのであるが、毎回真下のコブへ 降りようとして、まず驚いたのは、チェックポイント間の周期が非常に 短かいことであった。 元々、コブはショートターンの痕跡が発達したものであり、自分も フラットバーンで行うショートターンはこの程度の周期であるが、他人が作った 痕跡は別物である。 達者に回転できる人でも、旗門通過になると コースアウトしてしまうようなものである。 このため、着地点よりかなり先へ着地してしまう、どんどん周期が遅れてしまう 傾向があった。
これは、大きな横滑りをしたくないという思いと、峠での回転直後、スキーを 前に送り出す癖があったことによる。 まず、思い切って真下へ大きな横滑りをして、着地点に落ちるようにすることが 必須である。 また、スキーを前に送り出すというのは、その瞬間、後傾しており、 横滑りのような不安定時には回復できない要因を作り出すので、スキーを常に 足の真下に置くような努力が必要である。
さらに、平地部でのチェックでほぼ完全停止するときにも、後傾になりすぎる 傾向がある。 こうすると、次のターンがうまく行かない。 思い切って前傾するというか、スキーを体の後に持ち込むように意識すると 同時に、谷側に抵抗するくの字姿勢をとることが必要である。 また、チェックを高い姿勢で行うようにすると、先の技術に繋げやすい。 常に拇指球荷重を意識するようになって、スライドターンが急にうまく 行くようになった。
平地部直後の峠でのスキーの回旋は、スキーがの接地面積が小さいので、 比較的簡単である。 最初のうちはストックをコブ頭に強く差し、その反動を利用してもよいが、 徐々に、体の捻り込みの反動を利用する。 あるいは同じことであるが、上体は常にフォールラインの方向を向けておき、 足を希望の方向に捻り込む。 この際、前の足の捻り込み状態を開放してさらに勢いで同じ量だけ逆に捻り 込むような感覚を持つとよい。 また、平地部に到着の際、スキーの中心からやや後ろが山頂に 当たるようにすると、雪面からもトルクが与えられ、楽に回すことができる。
横滑りの際、思い切って真下の平地部を狙って降りていかないと、今いる コブを山回りしてしまう。 そしてコブからのフォールラインである尾根にでてしまうと、その後のターンが 続かなくなり、最悪状態になる。 初心者がコブ斜面で斜滑降体制になってしまう最大の理由がここにある。 コブでは初心者はいかなるときもコブの尾根を越えないように心がけて欲しい。 どうしても既定のコースを跳び出してしまったときには、一谷一山先の コースを狙う。
なお、もし、コブの尾根付近まで飛び出してしまったとき、すでに、コブの低い 位置まで降りてきているのならば、そのまま尾根をフォールラインに沿って 横滑べり、直下の目標点にそのままの方向で着地する。 ただし、非常に傾斜が強い斜面ではコブの下部がえぐれていることもあるので、 注意が必要である。 尾根付近のまだコブの高い位置に飛び出してしまった場合は、 やむをえないので、尾根を越え、その先の尾根から谷に至る斜面内でターンし、 体を逆向きにし、直下の台地に逆方向に着地する方法もある。 いずれにせよ、着地したらいっぺん停止して、次の尾根を越えないコース取りを 十分頭にイメージしてから、再スタートすべきであろう。
慣れてきたら、峠の直後の横滑りの開始時点では、スキーを谷向きにし、最初は 横滑りを少なく、ゴールの平地部分に近付くにしたがって、 横滑るようにすると、次の技術への接続がよくなる。